※この記事は、合同会社インハート 代表(二級建築士・二級施工管理技士)が解説しています。制度・補助金の数値は 2026年7月時点 のものです。最新の受付状況・条件は必ず東広島市の公式ページでご確認ください。
「広島市の耐震補助の話はよく聞くけれど、東広島市にもあるの?」——西条や八本松、高屋、黒瀬、安芸津で古い木造住宅にお住まいの方から、よくいただく質問です。
答えは「あります」。しかも、耐震診断は自己負担1万円、改修工事には費用の8割(上限100万円)という、しっかりした内容です。ただし受付期間が年度の前半に限られるなど、知らないと1年待ちになる落とし穴もあります。
この記事では、東広島市の耐震診断・耐震改修補助の中身と申請の段取り、隣の広島市との違いまで、広島で旧耐震住宅の耐震改修を手がける二級建築士の立場から整理します。
✅ この記事の結論(先にお伝えします)
- 東広島市では、昭和56年(1981年)5月以前に着工した木造住宅を対象に、自己負担1万円で耐震診断を受けられます(令和8年度の受付は6月30日で終了。次回の受付は市の公表をご確認ください)。
- 耐震改修工事には費用の80%・上限100万円の補助があります。現地での建替えも80%・上限100万円、除却(解体)は費用の3分の1・上限50万円が対象です。
- 補助率80%は隣の広島市(上限115万円)と同水準。「直す・建て替える・解体する」の3つの選択肢を一つの制度でカバーしているのが東広島市の特徴です。
- 補助金は交付決定前に契約・着工すると対象外になるのが原則。診断→計画→申請の順番がすべてです。
- 不安なときは有資格者に相談を。売り込みはいたしません。(2026年7月時点)
東広島市にはどんな耐震補助がありますか?(制度の全体像)
広島県の住宅耐震化支援は、県が直接補助するのではなく、窓口となる各市町の制度を県が後押しする仕組みになっています。東広島市では「東広島市木造住宅耐震改修等事業」として、次の2本柱で支援が用意されています。
| 支援 | 内容 | 負担・補助 |
|---|---|---|
| ① 木造住宅の耐震診断 | 市の事業として耐震診断を実施 | 自己負担1万円 |
| ② 耐震改修等の補助金 | 耐震改修工事・建替え・除却(解体)の費用を補助 | 改修は費用の80%・上限100万円 など |
窓口はどちらも 東広島市 建設部住宅課(電話 082-420-0946)です。
一般に木造住宅の耐震診断を建築士に依頼すると5万〜30万円程度かかりますが(耐震診断の流れと費用の記事で詳説)、東広島市の制度を使えば1万円で済みます。まずここが入口です。
対象になる住宅は?(まずはチェック)
制度の対象は「旧耐震基準の木造住宅」です。ご自宅が当てはまるか、次の表で確認してみてください。
| 対象になる家 | 対象にならない家 |
|---|---|
| 昭和56年(1981年)5月31日以前に着工した住宅 | 昭和56年6月以降に着工した住宅(新耐震基準) |
| 昔ながらの木造(在来軸組構法・伝統的構法) | ツーバイフォー・プレハブ・軽量鉄骨の住宅 |
| 地階を除き 2階建て以下 | 3階建て以上 |
| 自分が所有し、現に住んでいる一戸建て(店舗併用は居住部分が半分以上) | 販売・賃貸目的の物件、人が住んでいない家 |
| 建築基準法などの法令違反がないこと | 土砂災害特別警戒区域内の住宅(耐震診断の対象外) |
ポイントは「現に居住していること」が要件になっている点です。たとえば相続した誰も住んでいない実家は、この補助の対象にならない可能性が高いといえます(個別の判断は住宅課にご確認ください)。空き家の場合は考え方が変わるため、相続した空き家は何から手をつけるかの記事を参考にしてください。
「昭和56年5月」という線引きは、建築基準法の耐震基準が大きく変わった時期です。この年より前に建てられた家は、現在の基準が求める強さを満たしていないことが多く、だからこそ診断と改修に手厚い補助が付いています。
補助はいくらもらえますか?(4つのメニューと金額)
東広島市木造住宅耐震改修等事業補助金交付要綱(令和6年4月1日施行)では、次の4つのメニューが定められています。
| メニュー | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 耐震改修工事 | 費用の 5分の4(80%) | 100万円 |
| 現地での建替え | 費用の 5分の4(80%) | 100万円 |
| 除却(解体) | 費用の 3分の1 | 50万円 |
| 別の場所での建替え(非現地建替え) | 除却と同じ扱い | 50万円 |
(いずれも1,000円未満切り捨て。2026年7月時点、確認日2026年7月13日)
「上限100万円」はどこで効いてくるか(検算)
工事費が125万円までは、ちょうど8割の補助が出ます(125万円 × 80% = 100万円)。これを超えると上限100万円で頭打ちです。
– 工事費 120万円 の場合 → 補助 96万円、自己負担 24万円
– 工事費 150万円 の場合 → 補助 100万円(上限)、自己負担 50万円
– 木造住宅の耐震改修の全国平均は約161万円(費用相場と工法の記事)なので、平均的な工事でも自己負担は60万円台まで下がる計算です。
「直して住み続ける」だけでなく、建替えや解体まで一つの制度でカバーしているのが東広島市の特徴です。旧耐震の家をどうするかは「改修する・建て替える・手放す」の三択になることが多く、どの道を選んでも一定の支援がある設計になっています。
実際の改修工事で何をするのか(壁の補強・屋根の軽量化など)は、耐震改修の費用相場と工法の記事にまとめています。
東広島市・広島市で「うちは対象になる? いくらぐらいかかる?」を確認したい方へ。インハートでは、現地を拝見したうえでの耐震改修のご相談・概算費用の目安づくりを承っています。売り込みはいたしません。相談だけでも歓迎です。
- お電話:050-1725-9907(平日9-18 / 土9-17 / 日祝休)
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広島市との違いは?
広島市にお勤めのご家族がいる方も多いと思いますので、両市の制度を並べておきます。
| 項目 | 東広島市 | 広島市 |
|---|---|---|
| 耐震診断 | 市が実施・自己負担1万円(令和8年度受付は4/1〜6/30) | 診断費用への補助方式(診断の記事参照) |
| 耐震改修の補助 | 費用の80%・上限100万円 | 費用の80%・上限115万円(令和8年度) |
| 建替え・除却 | 現地建替え80%・上限100万円、除却1/3・上限50万円まで一つの要綱でカバー | 耐震改修が主軸(広島市版の記事で詳説) |
| 受付 | 診断は年度前半(令和8年度は6/30まで) | 改修補助の申込は例年4月の短期間・抽選(令和8年度は4/15〜28で終了) |
| 窓口 | 建設部住宅課(082-420-0946) | 住宅政策課(082-504-2292) |
補助率80%は共通で、どちらも全国的に見劣りしない水準です。制度は市ごとに別物なので、申請先はあくまで「住宅がある市」になります。東広島市の住宅に広島市の補助は使えません(逆も同じです)。
申請の流れと注意点は?
段取りはシンプルですが、順番を間違えるとやり直しがきかないのが補助金です。
- 耐震診断を受ける(自己負担1万円。令和8年度の受付は終了、次回の受付時期は市の公表を確認)
- 診断結果をもとに改修計画・見積をつくる(申請には建築士が作成した診断結果報告書や工事見積書などが必要です)
- 補助金の交付申請(住宅課へ)
- 交付決定を受けてから契約・着工(着手時には着手届を提出)
- 完了から40日以内に実績報告 → 額の確定 → 請求・受領
注意点は3つです。
- 交付決定前の契約・着工は対象外になるのが補助金の原則です(広島市は明記しています。東広島市での個別の運用は申請前に住宅課へご確認ください)。「先に工事を頼んでしまった」が、いちばん多い失敗です。
- 受付は年度単位です。診断の受付が年度前半で締め切られるため、思い立った時期によっては次の年度まで待つことになります。
- 診断から工事完了・実績報告まで年度をまたがないスケジュール管理が要ります。逆算すると、受付開始と同時に動けるよう前の年のうちに準備しておくのが王道です。
令和8年度の診断受付は6月30日で終了しています。ただ、いまできることは十分あります。建築時期の確認(登記や確認済証)、図面や写真の準備、住まいの状況整理——受付が始まってから慌てないための下ごしらえは、今日から進められます。
「次の受付までに何を準備しておけばいいか」を整理したい方へ。現地を拝見して、診断の前にできる準備と、改修までの段取りを一緒に整理します。売り込みはいたしません。
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現場から:後悔したケースと、納得したケース
佐々木さん(仮名・東広島市・70代)— 受付終了を知らず、1年待ちに
昭和55年築の一戸建て。夏に「そろそろ診断を」と市に問い合わせたところ、その年度の受付はすでに終了していました。「制度があると知っていれば、春のうちに申し込んだのに」。受付は年度の前半で締め切られるため、タイミング次第で1年近く待つことになります。待つ間に信頼できる業者の見分け方や費用相場を調べておいたことで、翌年度はスムーズに進んだのが救いでした。
藤田さん(仮名・東広島市・60代)— 診断1万円から、補助100万円まで
昭和53年築の2階建て。春に市の耐震診断(自己負担1万円)を受けて評点0.6と判明し、壁の補強を中心とした改修計画で補助を申請。交付決定を確認してから契約・着工しました。工事費約140万円に対して補助100万円を受け、自己負担約40万円で耐震性を確保。「診断の1万円から始められたので、身構えずに済んだ」とのことでした。
東広島市の耐震補助のメリットと注意点
| メリット | 注意点・デメリット |
|---|---|
| 耐震診断が1万円で受けられる(一般相場は5万〜30万円程度) | 受付が年度前半に限られ、逃すと翌年度待ちになる |
| 改修は費用の80%・上限100万円と手厚い | 上限を超える分は自己負担(平均161万円の工事なら60万円台) |
| 建替え・除却まで一つの制度でカバー | 「現に居住」が要件のため、空き家は対象外の可能性が高い |
| 広島市と同水準の補助率80% | 交付決定前に契約・着工すると対象外になるのが原則 |
デメリットの大半は「時期と順番」の問題です。制度そのものは手厚いので、段取りさえ守れば費用のハードルは大きく下がります。
よくある質問(FAQ)
Q. 東広島市の耐震改修補助金はいくらもらえますか?
A. 耐震改修工事は費用の80%・上限100万円です。現地での建替えも80%・上限100万円、除却(解体)は費用の3分の1・上限50万円が補助されます。いずれも昭和56年5月以前に着工した、自己所有・自己居住の木造住宅(2階建て以下)が対象です。(2026年7月時点。最新は東広島市公式ページでご確認ください)
Q. 耐震診断はいくらでできますか?
A. 東広島市の制度を使えば自己負担1万円で受けられます。一般に建築士へ個別に依頼すると5万〜30万円程度かかるため、まず市の制度を使うのが得策です。令和8年度の受付は6月30日で終了しているので、次回の受付時期は市の公式ページか住宅課(082-420-0946)でご確認ください。
Q. 相続した空き家にも補助は使えますか?
A. この補助は「自分が所有し、現に住んでいる住宅」が要件のため、誰も住んでいない空き家は対象にならない可能性が高いです。個別の判断は東広島市住宅課にご確認ください。空き家をどうするかは、耐震とは別の整理(相続登記・売却・解体の選択)から始めるのが近道です。
Q. いつ申請すればいいですか?
A. 入口となる耐震診断の受付が年度前半(令和8年度は4月1日〜6月30日)に設定されています。補助金は交付決定前に契約・着工すると対象外になるのが原則のため、「受付開始と同時に診断を申し込み、その年度内に計画→申請→工事」と進めるのが基本形です。前の年のうちに書類や図面を準備しておくと確実です。
Q. 広島市に住んでいる場合はどうなりますか?
A. 制度は市ごとに別物で、申請先は住宅がある市です。広島市には工事費の80%・上限115万円の耐震改修補助があります(令和8年度)。詳しくは広島市版の解説記事をご覧ください。
まとめ
- 東広島市では、旧耐震(昭和56年5月以前着工)の木造住宅を対象に、耐震診断1万円・改修工事80%(上限100万円)・建替え80%(上限100万円)・除却1/3(上限50万円) の支援があります。
- 補助率80%は広島市と同水準。「直す・建て替える・解体する」のどれを選んでも支援があるのが東広島市の特徴です。
- 最大の注意点は時期と順番。受付は年度前半、契約・着工は交付決定後。令和8年度の診断受付は終了しているため、次の受付に向けた準備を今から進めておきましょう。
西条・八本松・高屋・黒瀬・安芸津——東広島市内どちらでも現地にうかがいます。「うちは対象になるのか」「診断の前に何を準備すべきか」だけでも、お気軽にご相談ください。売り込みはいたしません。
- お電話:050-1725-9907(平日9-18 / 土9-17 / 日祝休)
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出典(2026年7月時点で確認)
- 東広島市「自宅の耐震診断をしてみませんか」 — 耐震診断の対象要件・自己負担1万円・令和8年度受付期間(4月1日〜6月30日)・住宅課連絡先。 https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/soshiki/kensetsu/4_1/8/5037.html
- 東広島市木造住宅耐震改修等事業補助金交付要綱(令和6年4月1日施行) — 補助対象住宅の要件、耐震改修80%上限100万円・除却1/3上限50万円・現地建替え80%上限100万円・非現地建替えは除却と同額、実績報告の期限。 https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/section/reiki_int/reiki_honbun/m313RG00000780.html
- 広島県「広島県住宅耐震化促進支援制度」 — 県と市町の役割分担、東広島市の事業名・担当課。 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/taishin-madoguchi/taishinhojo-jyutaku.html
- 広島市「住宅の耐震化を応援します!」 — 比較用:令和8年度 耐震改修補助(80%・上限115万円/戸)・募集期間・交付決定前の契約着工不可。 https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/sumai/1021346/1026338/1018628.html
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。補助制度は年度によって内容・受付期間が変わり、個別の適用可否は住宅の状況によります。最新の条件・受付状況は東広島市住宅課(082-420-0946)など所管の窓口でご確認ください。
著者・運営者情報
綾野 利郎(合同会社インハート 代表) 二級建築士・二級施工管理技士。広島市・東広島市で、旧耐震木造住宅の瓦→板金屋根への葺き替えによる耐震改修と、住宅用太陽光発電を手がける。診断から施工管理まで有資格者が一貫して担当し、「売り込まない専門家」として住まいの相談に対応している。

